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久々時計夜話第五話です。

今回は、私のコレクションでも一番思い入れの強いミリタリーウォッチのご紹介です。
といっても2本だけですが、これらを購入するまでに費やした時間という点では、私の腕時計に対する思い入れが一番強い分野です。

昔から軍用物は、極限の状態で使う必要があることから、その時代の最高の技術が投入されています。腕時計においても、軍事行動をある時間一斉に行う為に必要な、まさに生死をかける道具といえます。

おもしろいことに、世界で最初の腕時計は、軍用時計なのです。それまで時計は懐中型しかありませんでしたが、軍事行動をする際に瞬時に時間を知るために、むりやりでっかい懐中時計を腕にはめたのが最初なのででした。

そういった、非常にメカとして優れた軍用時計ですが、アンテーィク時計の世界では、非常に評価が低いのです。つまり、機能の割には通常の時計より値段が安いのです。これは、われわれミリタリーウォッチファンにはありがたい事ですが、少し寂しい気もします。

そこで、私の所有しているミリタリーウォッチの1本目は、ストッカーエール社のサンディというオーソドックスなミリタリーウォッチです。これは、渋谷のパルコの特売場で購入しました。外見からもベトナム戦争で使われるようなフェースと、日本では若干問題がある放射能マーク付きの時計でした。これは時計の文字盤に使われている蛍光塗料に放射性物質が使われているので、数個の場合は問題ないのですが、数千個とまとめて捨てると危ないという意味らしいです。

この時計は一時キャンプに好んで持ち入りましたが、わずか数回で故障して動かなくなりました。この当時の米軍の機材供給の方針が、「壊れたら捨てる」だったので、この時計も裏蓋が密封され修理不能なのを知ってましたので、残念ですが今は不動となりました。正直もう少し動いて欲しかったです。

そして2本目が私が東京中の時計屋をまわって、一番状態のいいのを一番安く手にいれたと満足している時計です。それはグリシン社のエアーマンという時計です。これは、文字盤が24時間で一周するいわゆるわワールドウォッチです。これもベトナム戦争当時パイロットが好んで使ったそうです、これは、短針の反対に二カ国目の時間をさすように、ベゼルの数字を合わせるという、非常に単純ですが使いやすいということで、当時官給品ではなっかたのですが、パイロットが好んで使ったそうです。

そして、この時計の私が一番好きなのが、ハック機能です。ハック機能とは、秒針を合わせる機能ですが、この時計は秒針をゼロに合わせるのになんと、文字盤の12時のところに細い針が飛び出し、むりやり秒針を止めて時間を合わせるという変わった機能のところでした。

数件まわって判ったのが、アンティーク時計故、この機能が壊れているのが多かったのです、そこで何件もまわりハック機能が正常で、一番状態が良いのを手に入れたのは、まさにアンティーク時計冥利につきまして、深みに嵌りそうでした。買ったお店は、今や大きなお店になりましたが、当時はまだ小さかった渋谷の宝石広場でした。

これは、手巻きですが今でも正常に動きます、しかし、壊れ物ですからキャンプなどには持っていかないですね。

そんなわけで、今年のブログもこれが最後です。11月から始めたブログですが、拙い文章を読んでくださった皆様に御礼申し上げます。

来年もよろしくお願いします。