そこで、今回は私の永年のツーリング経験で、唯一雪中を走行した時のお話をしたいと思います。
それは、今から10年前、私を含め3人で信州の渋温泉を目指しツーリングに出かけた時の事でした。
季節は10月の下旬で、全国的に雪のかけらも無い時期でした。その時のバイクは、私がホンダCB1000SF、友人がトランザルブ400とゼファー400でした。
草津まで順調に進んだところで、小雨が降ってきました。ここから白根山を越えれば渋温泉は目の前です。しかし、雲行きが悪いので私は念のためわざわざ道路公団のインフォメーションで峠の状況を確認したところ、「峠は、雨。」との事でした。しかし、これは後から判ったことですが、この日、日本列島は日本海側から、この秋最大の低気圧が接近していたのです。
私は安心して、先頭を走り白根山をどんどん登って行ったのです。そしてかなり上がった所で何気なくシールドの水滴を拭おうとしたところ、手にガリッと氷の感触がしたのです。そう、それまで雨だと思っていた水滴が雹に変化していたのです。そして路面を見ると既にうっすらと雪が積もっていたのでした。しかし、白根山の道は高速道路のような作りで、急カーブの登りが続く道です。すぐに止まったり、Uターンするわけにも行かず、どんどん高度を上げて進まざる終えませんでした。
ようやく直線で平坦なところにたどり着き停車しました。この先もう少しで目的地で、これを戻るとかなり大回りしなくてはならず、宿の到着が大幅に遅れる事を、天秤にかけながら、リーダーである私は、撤退を決断しました。そしてUターンをするのですが、普段でもつま先チョンチョンのBIG-1をアイスバーンの道路で方向転換する時の緊張といったら、今でも忘れられません。他の2台もどうにかUターンに成功し、一路麓向け、進みましたが、路面は既に真っ白。。「神様!お願い!」と祈りつつ、いつこけるかと緊張の中、奇跡的に三台とも無事に麓の草津温泉に戻ることが出来たのです。
雪から開放され、第一に思ったこと「道路公団の、うそつき。」
その後、予定よりかなり遅れて目的地につきましたが、翌日も白根山の峠はチェーン規制でバイクが通れる状態ではありませんでした。あの時そのままいっていたら、次の春までバイクを引き出せなかったかと思うと今でもぞーっとします。
しかし、あの時のバイクがSLRならそのまま行ってたかも?
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